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神奈川県の朝鮮学園への経常費補助金支給は、朝鮮の核実験を理由として2013年度に凍結した。県民会議では2年間にわたり、補助金再開を求め、広範な市民に訴える取り組みを行ってきた。

2014年3月、県は従来の経常費補助に代えて、「国際政治・情勢に左右されずに外国人学校の子どもたちが教育を受ける権利を安定的に確保する」という立場から、新たに「外国人学校生徒等支援事業」を創設。県議会は「神奈川朝鮮学園における拉致問題に関する取り組みを鋭意注視する」との意見をつけて可決した。

同年11月、県は独自教材の作成・使用を確認したとして、県下朝鮮学校5校の子どもたちへの交付手続きを開始。12月19日、子どもたちの家庭に補助金が支給された。

報告会の主催者あいさつでは、このような経緯が説明された後、「しかし未だ過大は山積している」と指摘された。

経過報告をした県民会議の園部守幹事は新制度が創設された背景について、市民団体が運動を進め県民世論が朝鮮学園への補助金不支給を支持していないことを明らかにしたこと、何よりも神奈川朝鮮学園が長年にわたって県行政や県内の労働団体、市民団体と培ってきた信頼関係があったこと、これをベースとした多文化共生の県民意識が強く作られていたことをあげた。今後も神奈川らしく取り組み、課題を克服していきたいと話した。

一方、報告会では、「国連人権勧告から見た無償化・補助金問題について」と題した金優綺・在日本朝鮮人人権協会事務局員による講演があり、昨年8月の国連人種差別撤廃委員会対日審査での活動経験、問題点などを報告。差別を許さない声を上げ続ける神奈川の取り組みを各地に広げていく思いを強くしたなどと述べた。

神奈川中高の金龍権校長は、今後も地域社会作りを県民の方々と共に行いたいと述べ、神奈川朝鮮学園にだけ付帯条件を課して補助金支給を行う差別をやめ、他の外国人学校と等しく補助金の支給を行うこと、横浜市と大和市の補助金凍結、川崎市の保護者補助金廃止の撤回などを強く求めた。

2015.02.20 (11:07) │朝鮮新報
http://chosonsinbo.com/jp/2015/02/20150220ton-3/