あっ韓ニュース

　報告書は、朝日新聞が平成９年３月の慰安婦特集記事ではこの吉田証言について「真偽は確認できない」と逃げたことに「訂正するか取り消すべきであり、謝罪もされるべきだった」「致命的な誤り」と厳しく指摘する。

　また、朝日新聞がそれまで「狭義の強制性」（直接的な強制連行）を前提として記事を作っていながら、強制連行の証拠が見つからないと分かると本人の意思に反する「広義の強制性」こそが問題だと主張しだしたことにも着目する。

　「『狭義の強制性』を大々的に報じてきたのは、他ならぬ朝日新聞である」

　「『狭義の強制性』に限定する考え方をひとごとのように批判し、河野談話に依拠して『広義の強制性』の存在を強調する論調は、『議論のすりかえ』だ」

　こうした朝日新聞の論調の変化、論点のすり替えは産経新聞も繰り返し言及してきた点だ。

　また、朝日新聞が慰安婦強制連行にかかわる吉田証言記事を取り消しながら、吉田氏が朝鮮人男性６千人弱を同様に連行したと証言した記事は放置していることにもこう触れた。

　「慰安婦以外の者の強制連行について吉田氏が述べたことを報じた記事についても検討し、適切な処置をすべきである」

　平成３年８月、母親にキーセン（朝鮮半島の芸（げい）妓（ぎ））学校に売られた韓国人元慰安婦を「女子挺（てい）身（しん）隊の名で戦場に連行」と書いた元朝日新聞記者、植村隆氏の記事に関し、朝日新聞は「意図的な事実のねじ曲げはない」と断じてきた。

　植村氏自身は現在、海外メディアを通じ自己弁護に余念がないが、この問題に関する報告書は「安易かつ不用意な記載であり、読者の誤解を招く」との解釈だ。捏（ねつ）造（ぞう）に当たるとは踏み込んでいない。

　さらに報告書は植村氏がソウル特派員時代、デスクの指示で韓国・済州島で吉田証言の裏付け取材を行っていたことも明らかにし、こう書いている。

　「徹底的な調査ではなかったようである。植村は、本社に、『いわゆる人狩りのような行為があったという証言は出てこなかった』とのメモを提出した」

　第三者委からの朝日新聞記者への「提言」には次のように記されている。

　「事実を軽視することのないよう努める必要がある」

　「先入観や思い込みをなるべくただすとともに、一方的な事実の見方をしないよう努める必要がある」

　こんな初歩的な指摘を受けることは恥ずかしいが、朝日新聞だけの問題ではないと受け止め、自戒したい。

（阿比留瑠比）
ソース：SankeiBiz　2014.12.22 22:35
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/141222/mca1412222235010-n1.htm